lapin noir

Diary / Photographer / Sapporo

雨上がりの中庭

 あっという間に9月の連休が過ぎた。移動祝日のおかげで4連休。カレンダーを見れば、10月と12月には祝日がない。それでも、よくよく考えてみれば春の自宅待機を含めオリンピック絡みの夏の連休など、今年ほど休みまくった年はなかったから、がんばって働こうかな。

 新型コロナでの行動の引き締めは自分にとっては簡単だったのに、徐々に緩和していくのが意外と難しい。大らかな友達からは「アクセルで暴走するタイプではないから、そんなに気にしなくてもいいんじゃない?」と言われる。そうだね、本当にその通り。感染している人と飲食を共にしたり、対策を怠ると、いとも簡単にうつってしまう反面、感染していない人同志であれば、どれだけ接触してもうつらない。当たり前の話。当たり前の話なんだけれども、世の中含めて安心や信頼はすぐに手に入らない。


 それでも今月に入ってからは、人と会う機会を増やした。自分なりの緩和期と思ったが、全国的にもこの4連休は人出が多かった様子だ。

 私は市内から移動して、久々に長閑な風景を見に行った。近郊の見慣れた田園風景は安心を与えてくれた。そして、食事を終え飲食店から出ると、秋晴れだった空は午後から雲に覆われ、突発的な大雨で辺りは一変する。「ここで災害があったら軟弱地盤で危険」などと職業病みたいな話になった。でも、この土地が好きで住んでる人たちがいるし、ビジターも牧歌的な風景に癒され、周辺の農園で採れた食材を提供するレストランへ行き、穏やかな時間を過ごしている。こうあるべき、などというものは捨て、自分にとっていい状態でいられることやベストは何なのか、選択していくことに終わりはない。解決できないことがあれば、とりあえず保留、置いておこう。


 勢いよく降った雨は、局地的短時間で止んだので、ジェラート店へ寄り、中庭のテーブル席でしばらく過ごした。木壁と緑樹に日が差してきて、出来た影とのコントラストに目がいったが、こちらへ飛んでくる虫を何度も手で払いよけたり、テーブルの上を歩く名前のわからない虫の存在を気にしながら、お決まりのピスタチオとストロベリーを口へ運んだ。芝生の上にいる大きな虫も、私たちに危害を与えずにスニーカーのすぐ横を通り過ぎていった。そして、そのまま他愛のない話を続けた。


 ここ最近、悲喜こもごもな出来事が続いていた。この年齢になってリアルな感情の変化を味わうなんて新鮮味すら感じるけれど、日常を過ごし、出来る対処をして、素直に話をすることで、暑さ和らぐと同時に少し乱れてしまった生活リズムが元に戻ってきた。これからは、ある程度の曖昧さと寛容さを取り入れていかないと、きついんじゃないかな。

 今年は残りあと3か月。あたたかな気持ちで過ごしたい。

 

2020.9.26 記