lapin noir

Diary / Photographer / Sapporo

SOLD OUT

 再び出向いた店には、もうお目当ての商品はなかった。
 1週間前に拘りの品揃えについて話を聞いていると、奥に並べられたある商品にふと目が留まり、中央のスペースへ持ってきてしばらく眺めていた。店主は素材や塗装のことを説明しながら、その商品の核となる部品を次々と交換して見せ、悩んでいる私の心を掴んでいったけれども、この日は買うことよりも扱っている商品の知識を得ることが主な目的だったし、いいと思っても簡単に買える価格ではなかったので即決できなかった。そして、私が帰った3時間後に別の人の手に渡ってしまったのだ。
 半年売れなかった商品らしい。それは目に留まりやすい場所にあっただけでなく、別の部品を身に着け、更に魅力が増し、変身していた。私の心を捉えたように購入した人もそこに惹かれたに違いない。その物には傍に置いておきたい価値観があった。悔しい。欲しかった。