晩ご飯の準備中、キッチンとダイニングテーブルを行ったり来たりしていると、奥の洋室の窓から見えた空色が変化していた。お椀によそったばかりのお味噌汁に目をやったが、いつものように部屋へ移り、何も考えずコンデジで撮った。
きれいだなあ。体に溜まった疲れがこの時だけはどこかへ行ったようだった。
そういえば、今朝は灰色の曇天続きから一転、見上げた青空に白いもくもく雲が手の届きそうな位置に浮かんでいた。通常勤務となって1か月経ち、明日から7月。今年はもう半分が終わる。夜の会食や不要不急の外出は避けるようにと会社から出た通達は、今月いっぱいで一定程度解除される。それでも個人的には様子を見ながら、行動範囲を広げることを考えたり、自制を繰り返すのは変わらないと思う。仕事は例年より多忙で、新しく出会った人と話をする機会が出来た。部屋は片付けと一緒に、この機会に変えたほうがいいインテリアの準備をし始め、全体的にやることが増えた割には気分がいい。
刻々と、そしてある時間を境に一気に焼けた空は、鮮やかに雲を染め上げていった。
この空の様に、胸にぐっとこみ上げてくる情熱みたいなものは、これからも沸きあがってくるだろうか。一時沸いては冷め、咲いては萎む、消えそうで消えないそれが、もっともっと強くなるのを待っている。
2020.6.30 記